懲りずにまた書き散らすのである。絵も最初は絶望視してたけど今はそれなりに描けるようになってきたし、SSだって描いてればそのうちいけるさー。 お暇な方はのぞいていってくださいな。
例によってタイトルに意味はないよ!
一つ、最近セッション充の生活をしていて発見したのは、楽しめる文章には視点が大切だと思うんだ、映画のアングルみたいにね。でも視点が大切、とは気づいても、どの視点が適切か、は分からないから試行錯誤するしかないんだよねー。
そんじゃいってみよー!
冒険者たちは行く。黒煙たゆたう略奪の跡を、血潮に染まった剥き出しの岩場を。屍を乗り越え、時には戦士の遺骸から使えそうなものを拾い集めて。3日ほどそうして歩いただろうか、地平線の向こうに燃え盛る炎、しかしそれはまだ新しく、耳を澄ませば悲鳴、怒声、武器をかち鳴らす音。
「やりあっておるようだな、さて…われらはいかがする?」
斧を手に尋ねたのは見事なヒゲを蓄えたドワーフの戦士。背丈こそ小さいものの巨木のようなドッシリとした体つき、油断なく輝く目は地平線の略奪を射るように見つめている。
「襲撃者はザイツの領主の軍勢ですね、朱色の手の紋章、間違いないでしょうね。」
答えたのは弓を携える細身のエルフ。岩場に足をかけて、身軽に彼方を見渡して。あらゆる種族よりも闇を見通すその眼で夕闇に沈みつつある遠くの村を眺めている。二人の冒険者は互いに顔をあわせることもなく、風の流れるままにしばし村の方角を睨んでいた、やがてドワーフの方が斧を肩にかけて。
「どれ…一丁、暴れにいくかね?」
まるで"一杯酒でもやりにいくかね”とでも言うかのような口調、楽しむように微笑んで長身のエルフを見上げる。それを受ければエルフも柔和に口角を持ち上げて笑う。
「えぇ、今ならまだ食いぱっぐれることはないでしょうね。オーダーストップはまだまだ先のようですよ。」
ドワーフは歩き始めた、のっしのっしと堂々たる足取りで。
「ほっほ、さようなふざけた事をぬかすようなら、扉を蹴破り料理長の首根っこを引っつかんで首筋に斧の冷たい鋼を食らわしてやるとしよう。」
獰猛な笑いに、柔和な笑みで答えるエルフ。だが彼の言葉もなかなかに辛らつだ。
「えぇ、ナプキンの一つも出さなければ給仕の数にすう倍する矢でもって、文字通り"矢のような催促”をしてやりましょう。」
エルフとドワーフ、ちびとノッポ、筋肉質と細身なコンビは夕日の下の、今まさに略奪されている村に向かって歩む。まるで仕事帰りに酒場に立ち寄るような気楽さだった。
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