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《adroad alternate》のPLGaramの作戦本部(?) 燃える物を集めて何事か企んだり、PCの設定を練ったりと、AAでの生活の拠点になる(予定)のblogです。
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プロフィール
HN:
Garam
年齢:
35
性別:
男性
誕生日:
1990/06/09
職業:
大学生
趣味:
中世,RTS,チェス,読書,TRPG,なりちゃ,料理,映画
自己紹介:
好き:
・なりちゃ、TPRG(徹夜も辞さぬ!)
・中世ヨーロッパ&トールキン的ファンタジー
・混沌としたものと同時にほのぼのとしたものも好き
・亜人種バンザイ
・甲冑大好き
・戦術的な頭を使うゲーム(戦略は苦手)
・好きなゲームはMount&Blade,Company of heroes
・ロマンがあるのはWWⅡまでだと思っている
・騎士道はロマン

嫌い:
・ヌルゲー、能力インフレゲー
・ファシズム
・辛い物
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 セドリックは部下のジョセフに自分の仕事を任せると、倉庫を出て夜風の心地よさに眼を細めた。
夕ごろの茜色は消えて、三日月が家々の屋根を明るく照らしている。吹く風は冷たい……そろそろ冬が来るかな。一人ごちつつ歩いていると、門の影に人影を見つけて、小柄なシルエットが自分の知己であることを認めて口元を歪めた。

 両手を頭の後ろで組みつつ、悪たれ大将のような悪い笑みで声をかける。

「こんな場所で、こんな時間に佇んでいると悪いオオカミに襲われるぞ、かわいいひつじ殿?」
声を掛けられて小柄な人影は軽やかに彼へと振り返り、2歩進めば月明かりが"彼女”の顔半分を明るく照らした。青い澄んだ瞳が喜色を浮かべて。

「セドちゃんッ!」

 言うや否やセドリックの腹部へ彼女の頭がめり込んだ。「ゴフゥッ!」と彼の顔が苦痛に歪み、口から大きく息が漏れるが、がっしりと彼の背中へ手を回している彼女の頭頂部を眺めていると文句を言う気も消え去った。悪党のような笑みに幾分か優しさが加わって、苦笑したような顔になる。ポン、と彼女の頭に手を置くとかいぐりしながら、

「ちゃん付けは勘弁してくれ。」

「えー?セドちゃんは、いくつになってもセドちゃんだよ?」

 そう言われると返す言葉もない、苦笑を深めればお返しとばかりに彼女の髪をクシャクシャにしてやる。相変わらず綺麗な柔らかい髪だと思う、長くても痛まないし、自分の髪とは大違いだ。手の下からは不平の声とも喜色の声ともつかぬ抗議の呻きが聞こえてくる。これくらいにするか、と手を離すと彼女は慌てて手櫛で髪を直し始めた。

「迎えに来てくれたんだろう? ありがとうな。」そう言うと彼女は手を止めて嬉しそうな顔で頷く。とはいえ、彼にとっては冗談ではなく本当に心配だ、もっとも、それを言って聞く彼女ではあるまい…。内心ではそう思いつつ、彼は苦笑しながらなるべく丁寧に口を開いて、

「……だがな、リリア。ここら辺は本当に危険だ。早く帰るから、できれば一人で迎えに来るのは……控えてくれないか?」

 しかし案のリリアと呼ばれた少女は喜色を浮かべたまま、微塵も表情を変化させずに言う。

「だって迎えに来ないとセドちゃん酒場に行っちゃうじゃない。」

 なにやら仰々しい、それこそ”ゴゴゴゴゴ”などという背景音が響いてきそうなオーラをリリアは発していたが、セドリックとて負けじと傲慢にふんぞり返る。

「酒は友だ。俺は友人を見捨てるほど薄情な男ではない!」

「じゃあ一人さびしく家で待つ恋人は見捨てても良いのね?」

 その言葉に「うぐ、」と思わず詰まる。酒は大切だし、部下とも騒ぎたい。だが往々にして、彼女を犠牲にしてきたことも確かである。セドリックは彼女以外には殆ど使われない”後ろめたさ”という感情をフル回転させた結果、ついに陥落し。「……その、スマン。」と言いにくそうに呟けば、「いいのよ、セドちゃん。」とリリアが有無を言わさぬ笑顔で腕を組んでくる。

(リリアには生涯、頭が上がるまい。)

 ありがたいような、恐ろしいような、色々入り混じった表情で笑みを返せば、彼女に引かれるようにして家路に着くのだった。

―――――
――――
―――
……


 二人は月夜の路地を歩く。人気はなく、静寂と夜の風が吹き抜けていくのみで、石畳をたたく二人分の足音が乾いた音を響かせていた。セドリックは腕に密着するリリアの機嫌良い鼻歌を聴きながら、出陣の事をいつ切り出そうかと憂い考えていた。

 月を見上げて目を細める。部下には明るく言ったが、本当に、彼は勝算があるから引き受けたわけではない、より敗算の高い状況に追いやられる事を避けるために引き受けたのだ。3倍もの防城軍に勝つ方法など知らない。

 リリアがふと、そんな彼の様子に気づいて不安そうな視線で見上げてきたが、憂いに沈む彼はそれに気づかず月を見上げていた。部下、同僚、彼女以外の人には決して見せぬ、本当の顔がそこにはあった。
 彼は現実主義者である、わずか3分の1の兵力で勝つ確率がゼロに限りなく近いことなど理解していた。14歳の頃、父に逆らって一兵卒から軍歴を積み、数え切れぬ血戦を経験したからこそ判る。寡兵が大軍を破り受ける賞賛の大きさは、戦史上、それが非常に稀であることの裏返しなのだ。

「……ちゃん。 ――セディちゃん!」

 傍らからの呼び声にはっと我に返り、なんとか微笑みを浮かべて彼女を見やる。

「どうした、リリア?」
言うや否や、彼女の表情が曇る。 ぐっと、何かを堪えるような顔だ。
そして青ざめた顔で搾り出すように言葉を紡ぐ。

「……お父様の友人が談話室で噂していたわ、政治上の妥協から、どこかの部隊が捨て駒にされるって。気の毒な連中だなって笑っていたわ。 ――…あなたの部隊だったのね。」

苛烈な怒りと、深い悲しみを心の奥にたたえた底冷えするような声。
彼女の怒りは貴族たちへ、悲しみは彼を失うであろうという恐れへ。

セドリックは頷きつつ、言葉を捜して口を開きかけたが、泣き笑いを浮かべた彼女に手で制される。
痛々しい笑み。 出来ることなら一生、彼女にこんな顔はさせたくなかった。

「……避けられない現実なら、嘆いていても仕方がないわ? 晩御飯にしましょう、今日はとっておきのスープを作ったの!」

彼は口を閉じ、そして端をなんとか持ち上げておどけて微笑む。

「あぁ、お腹ペコペコ、だ。」

彼女が手を口元に当ててクスクスと笑い、彼も一緒になって「ガハハ」と笑う。


――石畳の路地に、乾いた足音が二つ響いて、やがて消えた。
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「――と、いうわけでェ。」

 日が西の山々に沈み、ヴァルセア城にも夜の帳が下りた頃、ロウ中隊の溜まり場である誇りっぽい倉庫には、今日も悪たれ、洟垂れ、「ヒャハハハ!」 ……破壊狂、と個性豊かなゴツイ面々が集っていた。中隊長であるセドリックは積み上げられた木箱のてっぺんに仁王立ちし、自身満面の笑みで仲間たちに告げる。

「盗賊退治が任務。われ等が引き受けることにした。 クリン城を落とすのは俺たちだ、さて異議のある者は?」

「ありませーん」「ないっす、あー早くあばれてェェ!」「連中たんまり溜め込んでるんでしょう? 俺たちで分捕っていいんすよねぇ。 うはぁ、助かるわ。今月バクチですっちまってよぉ。」「俺は女だな、シアリーちゃんに貢ぎまくって金ねーんだわ。」「おいシアリーちゃんは俺のだっつの、手ェだすな。」「いいや彼女は俺に笑ったね」「いや、俺」「俺……」

 セドリックは好き勝手にさえずり出す面々に、自信たっぷりの笑みで「おぅ、お前には一番槍をやってもらおう。」「ハーッハッハ馬鹿だなお前ら、金目のもん全部取ってったらバレるだろうが。お上の献上用はちゃんと残しておけよ?」「ガハハ!かわいいもんなぁあの娘。くれぐれも泣かすなよ野郎ども。」などと頷きを返しながら、ふんぞりかえって笑っている。

 そんな非常識な状況で、一人だけ常識的な反論をする者が居た。
騎士甲冑を隙なく纏ったいかにも真面目そうな年かさの青年は、好き勝手な姿勢で管を巻く面々とは異なり、一人だけ定位置である席に腰掛けていた。

「ちょ、ちょっと待ってください隊長! 城を落とすってどうして……、200人程度でどうやって城を落とすっていうんですか! 少しは真面目に考えましょうよ死にますよ!?」

 シーン……、彼の声を受けて一斉にあたりは静まり返り、面々の目という目が発言者に集中する。「え、え、私が何かマズイことを言ったのか?」とうろたえる青年に、同情を込めてセドリックが肩を叩く。

「馬鹿だな、我が友ジョセフよ。」

「――へ!?」

「お前、何ヶ月俺たちと一緒に戦ってきたと思うんだ? ふん、盗賊どもはたかだか500。俺たち200、よし、勝った。」

 盛大にずっこける。
この人は数の計算ができていないのか……。そもそも、確かにこの隊は規格外に暴れまわって寡兵で大群を圧倒することもままあった。しかしその都度犠牲者は出たし、なにより平野の戦いと攻城戦では訳が違う。攻城戦では3倍の兵力が必要なのだ、それを3分の1の戦力でどうやって落とすというのか……。もしかして何か秘策があるのか?
 
「……何か策がおありなのですか?」

そう思い見上げると、そこには自信満々の顔。

「そんなものは、」

「そんなものは?」

『――”ないッ!”』

 隊長に合わせて面々が声をそろえ、そして陽気にガハハと笑い出す。
再びガヤガヤと騒ぎ始めた面々の中で、セドリックはジョセフに肩を回すと笑いながら周囲にはき超えないように口を開く。

「なぁに、”強制”される前に、こちらから申し出てやったまでよ。命令されれば手段は選べんが、志願して裁量を認めさせれば”手段”は選べる。 お前には安心しろとは言わん。手を貸してくれ、なんとしてでも勝算を増やしたい。」

 神妙な内容に驚いて見上げれば、表情は相変わらずふざけた笑み。

「連中だって判っているのさ。俺たちの立場は決して強くない、嫌われ者の寄り合い所帯よ。けどな、誰だって死にたくない。あのぶっ壊れたセジャンの破壊魔でさえ死にたくはない。 だが嘆いたところで現実は変わらん、あの手この手、狡い手を使わにゃぁな。」

 ニっと笑ってポンと肩を叩くセドリックに、ジョセフは生真面目な表情でまっすぐに頷き返した。

「全力を尽くします、中隊長。」

 生真面目な返答に「たはは」と笑って、けれど嬉しそうにボンボン肩を叩く。
「あぁ、期待しているぞ副隊長。 まぁなんだ、やるだけやったら後は笑え、な? 無理にとは言わんが、楽しいから笑うんじゃあない。笑うから楽しいのさ。」

 よくわからないことを言うと、んじゃ、と手を立てて再び箱の上に仁王立つ。
「やろうどもー! 出発は明日の”昼”だ、今日のうちにかわいいあの娘と仲良くしておけ。以上、解散ッ!」

 おう!と図太い返答があがって、面々はガヤガヤと集会所を後にしていく。
そんな彼らの背を眺めるセドリックの目が、口元は笑いながらも憂いに揺れているような気がしてジョゼフは一人残り、問うような視線を向ける。
 視線に気づいたセドリックは”おや”という顔をすると「まだいたのか」と笑いながら壇から降りて。

「んじゃ、仕事よろしく。」

 唖然としているジョゼフの肩を叩き、あいている方の手でゆるくデスクを、書類で山積みのデスクを指差し、ひらひらと手を振りながら集会場を後にする上司を見て、ジョセフは不思議にも、その日初めて口元に笑みが昇るのを感じた。 ――せいぜい綺麗な字で書いてやろう、仕事をサボって部下にやらせたと判るように。
スタートは夕暮れ時、連隊長執務室から。

それでは本文は続きに。
ざっと紹介を。(以下蛇足が続く)

・舞台は架空近世世界、アルノール国。

・科学の代わりに魔法が発達、風石を動力に、木材と特殊な金属を合わせて作る空中船が飛び交う世界。

・アルノール国は浮遊大陸の上に存在し、風石の産出と加工で世界一のシェアを誇る。空中貿易でも圧倒的地位を持つ強大な空軍国。

・陸軍、空軍の編成で、階級・制度等は17世紀くらいのイギリス軍に順ずる。

・ルシアン君はアルノール国の空軍士官。中世くらいにはエルフ差別は酷かったけれど、戦況悪化で緩和されてから一世紀くらいたつので制度上は問題なく士官になれた。(実際の差別は別。)

・あっと、忘れてた。アルノール国はじめ、人間などの日中生活する種族には天敵がいる。名前のセンスがないのでLOTRから盗用するけれど、オーク種、半オーク種、トロル種などの日の光を倦む種族、総称してモルグルが有史以来人類を脅かしている状況。(違うのは、彼らはより高い知力を持っていること。ただ残忍性は変わらない。)

・アルノールは現実世界のイギリスに位置する浮遊大陸で。他国は大体ヨーロッパに位置する。そしてそのヨーロッパはWW2の欧州諸国よろしくモルグルにフルボッコ。ドイツ第三帝国ならぬモルグルが空を挟んでアルノールを脅かしている。

・なんでそんなに圧倒されてんの? というのは人類側にはまだ火薬の技術がなくて、飛行船の数も魔力を持つ者も圧倒的にモルグル側が多い上にモルグルは火薬と鉄鋼船の技術を持ってる。陸の戦いならともかく、空から鉄の船が爆弾降らせてからエアボーンしてくるのでとても適わないのである。

・アルノールも鉄鋼船はもってないし、火薬もない。ただ魔力を持つ人間を軍に組み込んで組織化。浮遊大陸という好条件と他国の中ではずば抜けた空軍力でなんとか戦線を保っている。

・魔力を持つ人間、なおかつそれを制御できるのは女性だけ。軍人は男っていう伝統があった各国ではそれを組織的に運用できず、個々人を傭兵みたいに雇うのが常だった。それを教会組織を通して育成し、軍に組み込むのを制度化したのが唯一アルノール。

・兵が手を出さないように下士官~。そのあたりはストライクウィッチーズからもらっている。

・モルグルの技術に対抗するためにアルノールは、空船の増強、魔女の組織化、竜騎兵の育成の3本柱で望んでいる。あ、竜騎兵がぬけた。

・竜騎兵、文字通りの竜に乗った騎兵。竜一人に数人の人間が乗る、その人数は竜の大きさ、種類に順ずる。 竜一人に必ず一人のキャプテン(士官)が乗る。竜に革や鎖で作ったハーネスを装着し、弓兵や整備士が同乗する。竜は種類によっては火も吐く。 全体として、人間側の竜は小型で弱く、モルグル側は大型で獰猛。


な、ながっ。
こういうのってやっぱり推敲が大事だよね……、製本するまでに10回くらい推敲するっていうし、書き上げたら次は削る作業を始めようかな。ともあれ本文へゴー…するまえにちょっと休憩orz
…がんばってタイトルつけてみたけれど厨臭いよぅ。

ともあれ、プロット組んでみました。PCを世界を変えて登場させる…こういうのなんていうんでしたっけ。ともあれ主人公はルシアンくんです。

だいたい過去の設定とかは同じですが、違うのは世界観と立場です。
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