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《adroad alternate》のPLGaramの作戦本部(?) 燃える物を集めて何事か企んだり、PCの設定を練ったりと、AAでの生活の拠点になる(予定)のblogです。
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プロフィール
HN:
Garam
年齢:
35
性別:
男性
誕生日:
1990/06/09
職業:
大学生
趣味:
中世,RTS,チェス,読書,TRPG,なりちゃ,料理,映画
自己紹介:
好き:
・なりちゃ、TPRG(徹夜も辞さぬ!)
・中世ヨーロッパ&トールキン的ファンタジー
・混沌としたものと同時にほのぼのとしたものも好き
・亜人種バンザイ
・甲冑大好き
・戦術的な頭を使うゲーム(戦略は苦手)
・好きなゲームはMount&Blade,Company of heroes
・ロマンがあるのはWWⅡまでだと思っている
・騎士道はロマン

嫌い:
・ヌルゲー、能力インフレゲー
・ファシズム
・辛い物
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あづい……僕の部屋の窓は西側の壁をほぼ占有しているのですが、それ以外の方向に窓が無いため熱が大量に入り込むというのに排出する手段がないのです。クーラーはまだつけたくないし……我慢する。
しかし、自分の書いたものを後から見て毎度恥ずかしくなるんですが、懲りずに今日も書いていきましょう。
本日のネタは種族間戦争。
大体史実で言うなら17世紀くらいの技術水準を思い浮かべて、君主制でもう少しで憲法と議会が生まれるかなーくらいの時代。ライフリングの技術と鋼鉄の技術があり、内燃機関は……んー、ないとつまらないのでまた風石に登場してもらいますか。

ふーむ、神話の時代より英知と理性を以って反映を築き、あらゆる人の文明の憧れであったエルフによる王国。
幾たびかの王朝交代を経ても数千年に渡り存続してきたエルフによるアノンフィル王国、人類の間に退廃と不和が広がり、疫病が彼らを襲った時には彼らを救い、飢餓の時には耕作の知恵を授けた。
圧倒的に洗練された文化と繁栄を築き、時には人類を教え、導く存在。
しかし科学の芽生え、自ら栄華を掴むことができるようになった人間の王達はエルフを疎うようになる。
王ばかりではない。
宗教家は自分達の信じる神を冷笑し、自分達の神より古い神を信じるエルフを異端とののしった。
商人と軍人はエルフの築いた数千年分の富と利権を求めた。
貴族はエルフの持つ長寿と美しさを羨み。
平民は全てを羨み、為政者の煽るまま日々の苦痛の原因をエルフに求め怒り狂う。

――今こそ邪悪なるエルフに裁きの鉄槌を下すべし。

うねり高まる反エルフの感情に、教皇ウラヌス19世は応えた。
「神はそれをお望みだ」
エルフ征討の為の神聖軍が宣言され、立ち上がる諸王を代表しニテンス王が総司令官となった。
諸王国は艦隊を編成し、史上最も強大で、熱狂に包まれた軍勢が陸海空から攻めかかる。
人間の愚かさを嘆くエルフであったが、彼らとて身にかかる火の粉は払う。
過去幾たびも繰り返された戦乱、それらの大半は人間の間で全てを手に入れた王が次なる欲を伸ばしてきたときに起きてきた。その王と一族さえ倒せば内乱が始まり戦争は終わる……これまでの戦と同じように考えていたエルフは、さほど危機感を持ってはいない。能力の高さもその理由の一つだったろう、エルフは元より高い魔力を持ち、一人一人が人間の大魔術士数人分に匹敵する。そもそも銃や大砲を持つ必要すらないのだ。
しかし神聖軍が国境に出現し、高名なエルフ達が次々と銃砲撃に倒れ一夜のうちに前線が崩壊したことで、史上初めてエルフは人間を恐れた。
歴史家は次のようにエルフの敗因を評している。
「エルフは欠乏に恵まれぬという悲劇に見舞われたのだ。」
発明は必要から、工夫は不足から生まれる。
生まれながらに高い能力を持ち、理性的で愚かさを知らぬエルフ達は無い状態からの出発を知らず、敗北を知らない。恐怖をはじめとする感情にうろたえ、元来の能力を発揮する間もなく次々と都を失っていった。
野を焼き、財産を略奪し、果てはエルフのその身柄すら売り物にして神聖軍という名の略奪者達は王都を目指す。
更なる侵略を、更なる富を、男は殺し、美しきエルフの女は奴隷に落とす。
火が枯野に広がるように略奪者達はエルフの栄華を焼け野原と廃墟に変えた。
高名なエルフが人間の雑兵に無残に撃たれ、幾千年積み上げた文化の都が軍靴に踏みにじられ、才女達は鎖に繋がれ家畜のように売られていく。その様を嫌というほど見せ付けられたエルフ達は怒りという感情を覚えた。
エルフの王に率いられた戦士たちは、戦線が伸びきり勝利に酔いきった人間の軍勢を次々に駆逐し始めた。
神聖軍は森を一つ奪うために百の兵を失い、丘を一つ取るために千の兵を失い、街一つのために万の兵を失った。
前線で戦う平民とエルフの怨嗟の声を聞きながら貴族と王は唾を飛ばしながら叫ぶ、「殺せ、殺せ、殺せ……」
かくして膨大な血量を必要としながらも神聖軍は10年の時を経てついにエルフ王都を包囲する。

……なんというか、我ながら中二乙。
まぁ、中二を厭うては試行錯誤も難しいし、試行錯誤無くては進歩もなし。
んー、よし、ここから小説形式にしよう。

「少佐! 全中隊配置完了との報告です。」
「あぁ、ご苦労。」
ニテンス王国陸軍 第7歩兵大隊は攻囲戦司令部の指示通り王都西側の稜線に展開、あたりを見渡す小高い赤土の丘の上に大隊司令部はあった。レバーアクションライフルを携えた兵卒が敬礼し、大隊長の天幕を辞す。
大隊長ラーベ少佐は痛む目を抑えて先ほどから睨み続けていた戦略地図から目を放す。
「戦闘開始までには1時間ほど猶予があります、少しお休みになってはいかがですか。」
傍らに控える若い副官、ヴェルナー中尉が心配そうに休息を促すのをラーベ少佐は笑って手を顔の前で振る。
「いや、指揮官が働けば働くほど部下の損失は減る、砂時計の砂は戻らん、今のうちに出来ることをしておきたいのだよ。」
「そうですか……ではせめておいしい紅茶を淹れさせていただきます。」
ありがとう、と精悍な頬を緩ませて頷き、従卒に任せず自ら湯を沸かしに行く副官の背を見送りながら今後のことに意識は戻る。
「どうぞ。」
程なく出された紅茶――職人芸のそれを味わいながらもラーベの表情は暗い。
「お気に召しませんでしたか……?」
「あぁいや! もちろん旨い、君の紅茶は職人芸だと思う。 ただ、それとは別に……この茶葉の出所を思うと、な。」
なるほど、と副官は頷いた。
この世界における最高品質の茶葉はエルフの手で作られる。秘匿され人間には伝わらぬ技を用いて作られるそれは神の作る芸術品のように繊細な味わいだという。それを我々が先の町を陥落させた折、由緒ある商家の倉庫から略奪してきたものだった。
「……すまん、これは戦争だったな。」
繰り返される蛮行、それはラーベにとって胸糞悪いことではあったが、一介の軍人が政治に口を出せるとも、また出すべきでないとも考えておりどうにもできないことだと思っていた。
せめて自分に出来ることといえば、罪なきエルフを効率的に殺戮し部下の被害を少しでも減らす方法を探すことだけ。
「いえ……本国からの備蓄茶葉で淹れなおしてきます。」
出してもらったお茶は飲み干しつつ、傍らには副官、ランプの照らす明かりの中、大隊司令部にラーベが地図を触る音だけが響く静寂が訪れるのだった。

それは人間の非業に対し、神の怒りが成せる技なのだろうか。
血のような赤みを帯びた厚い雲が空を覆っている、それは太陽の光を殆ど遮り、真昼だというのにあたりは夕方のように赤く、暗い。
しかし大地が赤いのは人間とエルフの業だった。
数えるのもバカらしくなるほどの砲撃、応酬し放たれるエルフの破壊魔法が大地を抉り、人とエルフを粉々に砕いて大地は着々と血を吸っていく。
第4大隊旗下のE中隊は196名は王都西側の先陣を切り、砲兵大隊の支援を受けながらエルフの破壊魔法が織り成す爆発の間を駆け進んでいた。
「チクショウ! 味方の頭に砲撃を落とす馬鹿はどいつだ!」
しかし混乱する無線は砲兵部隊に間違った情報を認識させ、25ポンド砲の榴弾がクレーターに伏せる歩兵達を次々と吹き飛ばしていく。
阿鼻叫喚、耳が馬鹿になる騒音と舞い散る土砂が口に入るのもかまわずにクレイ大尉は無線兵から受話器を奪い取る。
「火砲任務! アルファー775、ベータ381 火砲承認――…撃てェッ!」
ゴォォウ……。
大地を揺らす方向がはるか方向の砲兵陣地から響く、胃を揺らす振動を感じ、クイン大尉はクレーターから上半身だけ這いずり出しながら双眼鏡を覗く。
視界には魔法強化された城壁が榴弾を弾く様が見て取れたが、少なくとも爆発は城壁を覆い視界を遮ってくれていることだろう。これで城壁上から破壊魔法で狙い撃ちにされずに済む……。
獰猛に笑うやライフルを引っつかみ大尉は立ち上がった、クレーターの中を振り返り、赤土の上で控える兵達に身振りを交えながら叫ぶ。
「諸君仕事だ! 王立砲兵の砲身が焼け付くまで5分……それまでに城壁へ取り付くぞ。この街は我々のものだ!分捕りに行くぞ、付いて来い!」
姿勢も低く大尉が走り出し、勢いづいた兵らが歓声を上げながらクレーターから這い出し駆け上がっていく。煙の間から闇雲に放たれた破壊魔法の光球が次々と着弾し地面を巻き上げる。
――ッ!
不意に足元が爆発し、反射的にジャンプして被害を軽減する。右足の太ももに裂傷が生じるがアドレナリンの分泌された脳は痛みを伝えず、大尉は遮二無二駆ける、視界の端の部下達の表情も恐怖と興奮で歪み、地獄の焦土を駆ける悪鬼どもを思わせた。
「ぎゃああああ。」
「ママァ! ママァアアアッ!」
城壁も間近というところでいつの間にか目の前を走っていた若い兵らが身体ごと吹き飛ばされた。
生暖かい液体を顔に浴びながら、彼らを省みる余裕すらなく大尉は駆け、身体を飛び越えて着地、前転しながら城壁の直下で膝を落とした。
城壁の直下はエルフ自ら張った魔力障壁の影響でエルフ自身も魔法を撃てない、なにより視界が遮られていては攻撃のしようもなく、そこは束の間の安全地帯だった。
「走れ!こっちだ――!」
後続の部下達を手で促しつつ、次々と城壁直下に飛び込む兵を受け入れる。
荒い息を整えながら面々を見渡せば皆一様に血走った目、中には軽くない怪我を負った兵も多いが興奮ゆえか動きに鈍りは見えない。
「アンダーソン! デモリッションチャージ!」
「アイアイキャプテン、離れろ! 耳塞げェッ!」
呼ばれて名乗り出た兵が、手に箱のような物を携え魔力障壁の手前の土に埋め込む。
そこから導火線のような物を延ばし、隣の兵が差し出した複雑な文様の描かれた小石を接続し――
「Fire in the hole!」
『Fire in the hole!!』
身体を背け、耳を塞いだ刹那骨をも揺らす振動が響き、轟音はもはや聞き取れないほど大きく音というより殴られた感覚に近かった。
しかし噴煙が収まった先には無残にも崩れた城壁が彼らに進路を示している。
時計を見れば丁度5分、砲兵隊は焼ききれた砲身を交換する作業に移るだろう。残った城壁の上に居るエルフが正気に返る前に城内へ突入しなければならない。
「Fix! Bayonet!」
『Fix! Bayonet!!』
大尉の掛け声を軍曹が唱和し、兵らが一斉ライフルに銃剣を装着する。
ライフルを肩に担ぎ、腰からリボルバーを抜いて天上に掲げながら瓦礫に片足を乗せて仁王立ちし、
「Follow me.....Charge!!」
リボルバーが振り下ろされた。
『うわぁああああッ!』
蛮声と共に銃剣を腰に構えた兵達が一斉に突入を開始する。
ようやく我に返った内郭の守備エルフがそれに気づき応戦の魔法を放った。
しかし城壁を爆破されたエルフ側が後方から続々と押し寄せる人間の軍を押し返せようはずもなく、王都の包囲戦は間もなく終盤に差し掛かるのだった。


あ、あるぇ……?
十字軍っぽい宗教戦争を予定していたはずが、書き上げてみたらWWⅡのイギリス軍風味だったでござる。
何を言ってるかわからねぇと思うが(ry

いつものこととはいえ衝動的に書くとこうなっちゃうのよね。
まぁいいか……城内戦城内戦ー。
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各PCのリニューアルに備え、デッサン用の骨人形や衣装の写真をグーグルで集める今日この頃。
ペイントソフトの更新、そろそろフリーソフトを卒業してSAIを買おうかと愚考する。

さて、コロコロ変わる天候のせいで僕の健康もコロコロ変わりなかなかチャットも出来ない状況、ここは一つじっくりとRP方針の確認も兼ねてBBSの要領でSSを書いてみましょう。
本日の作業用BGMはガスト社ゲーム「マナケミア」サウンドトラック。アルトネリコやアトリエシリーズも手がけた会社、内容も良いけど音楽も流石です。しかし聞く音楽の8割が洋楽で、残り2割がゲームと映画のサウンドトラックとかどうなの……。渋いおっちゃんのジャズも良いけど、たまにはライトなのもいいんだぜ。 とと、では始めるとしましょう。
という病気を発症したんだ。

冗談はさておき、いつもなら一番体調が悪いのがこの時間帯なんですが、今日は逆に調子が良いです。
昨日まで暑かったのが、今日は昼を過ぎても気温が上がらなかったおかげでしょうかね。
なんにせよ元気になればリビドーが溢れてくるというもの。
フォースの英国面をふんだんに爆発させたいと思います。

マズ間違いなく続かないエネルギーなので、設計段階から超掌編と定めます。


んーむ、戦闘を書きたい。
腕を振り回し、足は後退しながらもひたすら撃ち続けるような戦闘を。

登場人物は味方側がせいぜい3人、敵側は1人が限界だろうか。
世界観は……んー、架空近代。アームストロング砲と装甲飛空船の時代。
主人公:まじめな少年、超がつく貧乏艦長
じい:変態的な意味での英国紳士
護衛対象の貴族少女:ドS

うーむ、コレは酷い。

英国をモチーフ、ならば敵はドイツであろう。

敵将:デザートフォックスならぬ空の狐、天才肌、直感的な指揮、ただし変態。

よーし、シチュエーション。


アルビオン空軍所属、空挺フリゲート艦ソフィー号は遠征からの途上でとある殖民島へ寄港した。
しかし中立国ゲルマニアの突然の宣戦布告を受けソフィー号には本土への帰還命令が出される。
パーシヴァル艦長は即座に補給を済ませ、酒浸りの部下を酒場から船倉へ蹴飛ばすや帆を張り、風石をエンジンに放り込んですぐさま出航を決意する。
あわよくば戦争のドサクサで敵艦を拿捕し、たんまり賞金を得て貧乏からの脱出を図ろうとたくらんでいたのだが、出港準備を進めるソフィー号へ猛然と近づく一台の馬車。
降り立つは一見可憐な貴族令嬢、しかし二本の足で立ち、自信に満ちた傲慢な口調で彼女は言う。
「わたくしを本土へ送り届けなさい!」
大貴族の令嬢が軍艦に乗るなどありえないことである。
しかし、敵軍の脅威が迫る中、本人の要請を無視して置いてけぼりにしたとあれば首が飛ぶ。
逆に軍艦に乗せて、ソフィー号が撃沈、拿捕されて彼女が危険にさらされても首が飛ぶ。
ましてや欲をかいて敵艦を拿捕しようと彼女を危険にさらそうものなら以下省略。
頭を抱える艦長を他所に令嬢は召使を引き連れ、堂々と船室を占拠するのであった。

――アルビオン本土まであと4日の距離 アルビオン国南方の上空

「……僕はなんてついていない男なんだ。」
ソフィー号の甲板は働く男達の喧騒に包まれている。
それでも、舳先の一角は上空の澄んだ空気を最初に受ける場所とあって、快適だった。
艦長パーシヴァルは小柄な体躯を手すりに持たれて、遥か下方の雲海を力なく眺めていた。
「ふぉふぉ、若干19歳でフリゲートの艦長に昇進された方が何をおっしゃりますやら。若い士官がこれを聞いたらこぞって殴りにやってくるでしょうな。」
傍らに姿勢良く佇む執事然とした初老の男性が品良く笑った。
御年56のこの男は先代からパーシヴァルの家に仕える家令で、先代以来幾多の戦場を共に歩いてきている。
「そうは言うけどね、断っても駄目、承諾しても駄目、やっと煩く命令されない立場になったと思ったらとびっきり煩くて我侭な暴君にこき使われるときたもんだ。これが嘆かずに居られるかい。」
大げさに嘆いてみせる少年、貧乏ゆえに、艦長を示す肩の金モールは真鍮の表面に塗料を塗っただけの代物で、しかもそれも所々はげているあたりが悲哀を誘う。
そんな彼に家令はニヒルに笑って肩を竦めた。
「なに、貴方様もあと1、2年もすれば奥方をもらいましょう。そうなれば毎日が尻にしかれ……」
「残念。僕は父様みたいな過ちを犯すつもりはないよ。僕の好みは物静かな清楚な子さ!」
まるでコトダマを気にするかのように慌てて言う艦長に家令は楽しげに笑った。
「ハッハッハ、先代様もそのように申しておりましたなぁ。……まぁ、人を好きになるというのは理屈ではございませぬゆえ、そのときにならねばわかりませんが。」
言うや懐から靴下を取り出し、嗅いだ。恍惚とした表情になる。
「私などこれを始めて嗅いだときからぞっこんで……」
「――衛兵、衛兵、この変態を営巣にぶち込め。」
本気で衛兵を呼びかねない主を家令が眺めていると、背後に日傘を持った影が現れる。
「貴方達はいつも楽しげでよろしいですわねぇ……。」
上品に、けれどたっぷり皮肉を込めて笑うのは先ほどまで噂に上っていた貴族令嬢。
忍び足で逃げようとする艦長を他所に、家令は先ほどまでの変態的な表情を嘘のように潜めて美麗なお辞儀をする。
「これはこれはエリ様。見苦しいところをお見せいたしました。このようなところにおいであそばすとは、何か用命でもございましたかな。」
「えぇ、実はちょっとした用がございますの。」
ニッコリ、大層美しく微笑む令嬢。優雅な微笑にも関わらず異様な迫力を滲ませながら、

――ガシッ

「……こちらの艦長様に、ね。」
ミシミシ……、そんな擬音がしそうなほどな力で、逃げ出そうとする艦長の首根っこを片手で掴みつつ微笑みを維持する。一方の艦長はまるでキツネに捉まれたねずみのように怯えていて、
「い、いかがなさいましたかエリ様。しかし小官は艦の運営に関する火急の用件が……。」
「あらあら、そんなに忙しい方がココで!」
艦の舳先を指差し、
「私の悪口を言うお暇があるとは意外ですわぁ!」
ミシミシミシミシ……!
「き、聞こえておいででしたか」
「んまぁ!本当におっしゃっていたんですのッ!」
まんまと釣られて顔を青くする艦長。
ちなみに身長差では令嬢の方が20センチほど大きく、首根っこをつかまれた艦長のつま先は甲板から浮いている……。
「ま、まぁまぁ。それよりエリ様、艦長にご用件がおありなのでは。」
「えぇそうでした! 私の部屋の空調の調子がおかしいのですの。」
ソフィー号は風石を動力で燃やして航行する船である。補助動力として帆も用いるが、風石の出力はかなりのものでそれだけでも航行は可能、余った動力は艦内の空調に回し、一般船員の船室までは無理とはいえ、上級士官の客室は須らく空調が整えられている。
しかし令嬢が言うにはどうもその空調の調子が悪いらしい、今朝の士官会議では特に誰も気づかない様子だったが……。
「気のせい、ということはありませんか。」
ぶらーんと吊られながら艦長が尋ねる。威厳もへったくれもないが表情は真剣だ。
「いいえ、それはありませんわ。私たしかに異音を耳にしましたの。温度にもばらつきがありますし、汗ばんでしまいましたわ。私ちょっとした変化にも敏感ですの。」
人の感情の機微はわからないみたいですがね。
と口に出そうになるのを堪えつつ、しかし本当なら由々しき事態だ。
空調の不調はすなわち動力の不調であり、動力の不調は艦の行動能力を左右する。
事態を重く受け止めた艦長は機関長に調査を命じようと甲板に足をつけるが、その目的が果たせることは無かった。

「艦長! 下方2時の方向に艦影!」
「空兵、詳しく報告しろ。」
「はっ、艦影2……近海用高速フリゲートです。軍旗確認――ゲルマニア空軍艦です! レキシントン、及びレグニア!」
艦長は思わず零れそうになる舌打ちを堪えた。近海用高速フリゲート……長距離航行用フリゲートのソフィー号に対し瞬発力に優れ、砲門数もソフィー号が48門艦なのに対し62門艦、短距離航行においてはスピードで圧倒的にあちらが上だ。
「各員砲戦用意! ミスタ・ワイアット、クルーに銃とサーベルを配りたまえ!」
「アイ・アイ・サー!」
「ボロディン軍曹、空兵隊を甲板に集合させよ!」
「ヤー!」
唖然とする令嬢の腕から、まるで猫のようにするりと抜け出すや矢継ぎ早に命令を飛ばす。
先ほどまでのまったりした雰囲気はなりを潜め、幾多の砲火を潜り抜けてきた艦長の姿がそこにはあった。
「……これはこれは、旗色がまずうございますな。」
「グチを零すな。 僕たちは負けてはならないが、今日は一層負けてはならぬ。貴族の令嬢を守りきれぬとあれば――」
「沽券に関わりますかな?」
「……いや、予算が削られる。」
「――ほぅ!それは困りますな。ただでさえメシがまずいというのに。」
「うん、新兵が吐き出すくらいマズイメシが更にまずくなるんだぞ、想像できるか皆。」
「無理っすね。」
「人の食いもんじゃないっしょそれ。」
「神よー!お助けー!」
「……議会の連中は二言目には予算を削りにかかってくる、絶好の口実を与えるわけにいかん。――さぁ諸君!判ったら仕事に取り掛かりたまえ、明日の食事のために!」
『おぅ!』
戦闘前だというのに、皆ゲラゲラと笑いながら艤装についていく。
砲手長がガンデッキに陣取り、砲列甲板から48門の砲が次々と突き出されていく。
少年水兵が火薬を持って走り回り、それぞれの砲で砲口にスポンジを突っ込む音が響いた。
だらけた雰囲気を一変させキビキビと仕事に取り掛かるクルー達の豹変振りに圧倒され立ち尽くす令嬢であったが、艦長は彼女の前で優雅に礼をする。
「当艦はこれより戦闘態勢に移行します。まもなくここは鉄の弾が飛び交う戦場と化しますので、ご令嬢はロウアーデッキにてお待ちくださいますよう。 ――ミスタ・リキッツ! 彼女をご案内さしあげろ!」
「アイアイ艦長。 さ、こちらへ。」
リキッツが手を差し出す。しかし令嬢はそれに動揺した様子で艦長を見上げる。
本当に大丈夫なのですか。初めて戦闘に遭遇する彼女の不安が、言葉にせずとも伝わってくるのを感じ艦長は頬を掻いて照れくさそうに笑った。
「当艦のクルーはベテラン揃いです。私がヘマをやらかしてもしっかりフォローしてくれますよ。」
「――…私の、せいかしら。」
令嬢らしからぬ様子で唇を噛み、俯く。
彼女を乗せていなければ、わざわざ本土への最短ルートを通る必要もなく。
そもそもあの2隻は彼女の身柄を狙った可能性が高い。
令嬢の様子に艦長と家令は目を丸くした後、朗らかに笑った。
「いいえ、とんでもありません。我々の悪行は広く知られていることでしてね、ほら、あの船の艦長を御覧なさい。心なし怒りに顔を赤くしているようには見えませんか?」
「おぉ、あの男は懐かしい。半年前の航海でしたかな?我らに船を拿捕されて財産を根こそぎ奪われたのは。」
「はっはっは!結局賞金は本部に奪われたがね! ……いずれにせよ、貴女様がおきになさる必要はないのですよ、私達は戦う相手が居て初めて食べていけるのです。こなければ逆に困ります。」
「艦長の給金だけでは使用人の給料も払えませんからなぁ!」
「バラすな!恥ずかしい。」
本気で恥ずかしがる艦長。しかし二人の気配りに、令嬢は綻んだ表情でクスりと笑った。
笑われて目を見合わせる二人。
「――お邪魔してはいけませんわね。私も、私の本分くらいは心得ておりますわ。」
悠然ときびすを返し、リキッツの手を取る。パラソルをくるりと回して、優雅に膝を屈した。
「……ご武運をお祈りいたします。」
二人は崩れた敬礼と笑みを向けた。
「はっ、見事勝利してご覧に入れましょう。」


「……とは言ったが、流石に早いな。」
「左様ですなぁ、全くうらやましい限りです。」
「そうは言うがな、ソフィー号だって良い娘だぞ? 長距離航行の荷物をぎっしり詰め込んでいなければもっと早く動けるんだ。」
トップデッキ、操舵手の傍で艦長は望遠鏡で敵艦の機動を眺めている。
家令はその隣に佇み、次第に大きくなってくる艦影に目を細めた。
「見事な運動ですな。これは上手回しは苦しいですかな。」
視線の先、透き通るような空と雲海の向こうでは2隻の艦船が優美な曲線を描いて航行していた。白い帆は風をよくはらみ、雲の上をすべるようにして進むそれは船の統率の高さ、そして推進力の優秀さを物語っていた。
「……ん、恐らく先手を取られるね。逃げても一隻が退路を塞ぎ、それを避けようとすれば速度が落ちたところへもう一隻が接舷しにやってくる。」
「かといってこちらから仕掛ければ速力で勝る敵を捕らえるまで、相当な時間一方的に砲火にさらされますな。――ハッハッハ!八方塞とはまさにこのことですかな。」
「ふっ、全く僕たちはバカの見本だね。見ろ、僕の船のクルー達を。はした金で命を張り、今もこうしてわざわざ危険に飛び込もうとしている。だというのに、誰一人として嘆かないどころか皆楽しげだ、救いようがない。」
「――いかにも。であれば地獄の門番にも嫌われましょう。騒々しくて仕方が無いでしょうからなぁ!」
「違いない……とはいえ地獄の門番も自ら飛び込んでくる者を拒むほど狭量でもあるまい。然らば艦長としてはなんとか勝てる策をひねり出さなくてはな。」
最近、寝てると非常におっかない夢を見ることが多いんです。
悪夢を見る、冷や汗かいて飛び起きる、リアルな恐怖を体験できた!ネタ増えたこれで勝つる!←今ここ。
普段想像するにしても、なんていうか他人事なので恐怖も喜びも薄いんですよね。

だってもし戦場に出て、銃弾の飛び交う中で何かするっていったら。
ただ遮蔽物から頭を出すだけでもすごく怖いと思うんですよ。

当たり所が悪かったら、一生ひどく不自由な状態で暮らさなきゃいけなくて、リセットもできない。
死んだらどうなるんだろう? 体がない状態で意識だけが永遠にさまようんじゃないだろうか、とか。

並大抵の恐怖じゃないけど、ついRPをするときとかはあっさり勇敢だったりするわけでして。
今までおもしろいなーと思った小説や漫画は、「感情」をリアルに体感させてくれていたように思うんですよね。

まぁ、一朝一夕に出来るものじゃありません。
今21歳ですから、4年後くらいにはそれなりに面白いSSを書けるようになればいいと割り切って経験を積むとしましょう。
「ファイアミッション! セクターc11.a00. ファイアフォーエフェクツッ!(ノ゚∀゚)ノ」

今日は学校の小テストが終わり、テンションが高いうえに酒が入ってます。
後で具合が悪くなる? それがどうした!ガハハハ!(携帯無線を片手に艦隊へ砲撃座標指示を送るGaramの図。激しく脳内で。)

※本編は続きで。
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